さよなら、ほっ君

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何でも捨てられるゴミ箱があってくれたなら 僕は迷わずコイツを捨てるのに。 何千回、何万回と思った事を 今日も懲りずに願いながら、自分の顔に触れた。 コイツはまるで僕を小馬鹿にする様に、相も変わらずそこに存在し続けている。 まるでイボの様に大きく膨らんだホクロだ。 左目の目頭の少し下、小鼻よりは上。 顔の中心より少しずれたそこを、コイツが自分の居場所だと陣取ってもう何年になるだろう。 幼稚園の時は、ホクロお化けと呼ばれて誰も遊んでくれなかった。 小学生になってからは、今度はもっとストレートにホクロというあだ名をつけられ、からかわれなかった日は無い。 三年生の時に初めて好きになった女子からは、ホクロマンは嫌だと言われた。 五年生に上がる頃には、僕はすっかり卑屈になり同級生と話をする事が嫌いになった。 全部コイツのせいだ。 年々大きくなっていってる気がするコイツを、僕は誰にも内緒で「ほっ君」と呼んでいる。
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