~序章~

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戦場── そこには人と人ならざる魔獣や竜種が入り乱れる地獄と化していた 所々から悲鳴や怒声、魔物の咆哮(ほうこう)が絶え間なく響いている ある者は己が武器である剣を握りしめ、果敢(かかん)に魔物へ切り込んで行き ある者は敗北を(きっ)し、上半身を大きく咬みちぎられ大量の血を流して地面に倒れ伏している 状況は勇気ある者達の頑張りを嘲笑(あざわら)うが如く魔物の軍勢が人の軍勢の数を減らしていく この絶望的な状況の元、ある兵士が剣で魔物の爪を弾きあげ、(すが)るように・・・祈るように呟く 「畜生・・・死にたくねぇ・・・俺はこんなところじゃ死ねない・・・! 俺の帰りを待つ、最愛の人のために・・・! 死ぬ訳にはいかねぇんだよ!」 そう言って目の前に立ち塞がる大きなドラゴンに向かって切りかかろうとした時─ 蒼と銀が混じりあった蒼銀色(そうぎんいろ)のマントを羽織(はお)り、フードを被った人物が兵士の前に現れ─ ドラゴンを両断した
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