トーコの拒絶

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つまるところ。 俺は長い間、彼女の大らかさに甘えすぎていたのだ。 彼女の心は、本人も知らずのうちに負担でいっぱいになっていったのだろう。 今回の件が誤解であったにしろ、ついにそれが引き金となり、カタチとなって現れた。 彼女の直接のストレッサー、すなわち俺への生理的嫌悪として___ 今朝もショック療法のつもりなのか。 無理にキスをしようとし、真新しいスーツに思いっきりリバースした彼女は、 『ゴメンナサイ~~、ウワアアン!!!』 大泣きしながら走って逃げていった… 俺は、トーコが不憫でならない。 あんなに苦しんでいる彼女を、もう見ていたくはない。 その夜。 新婚時代に貰った、かなり野暮ったいハート型クッションをずっしり重く湿らせ、俺はようやく決断した。
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