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「っ……」
次にどんな言葉を伝えようか、そんな間もなく、私は桃也くんに抱きしめられていた。
強く、強く。
今更の私の気持ちなんて迷惑だろうと思っていたのに、受け入れてもらえたということなのかな。
その身体が離れ、私の背後の玄関扉の小窓の明かりによって、桃也くんの顔がうっすらと見えた。
その瞳は、熱く私を見つめてる。
それからすぐ、私の顔を覗き込みながら啄むような深いキス─
「んっ─」
身を引こうとすると抱き寄せられ、桃也くんの舌が侵入してきたとき、ふっと唇が離れた。
「凛乃ちゃん、酒飲んだ?」
「……少し…」
「誰と?男?」
「……希美と音だよ」
「そっか、ごめん、俺余裕なくて」
「……」
照れたような恥ずかしそうなその顔に、ますます愛しい気持ちが溢れ出す。
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