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「食べてくれてありがとうございます。なんだか胸いっぱいで食べられそうになくて……。さっきのバスケしてる姿がすっごくカッコ良くて、目が釘付けっていうか瞬きする暇もないくらい見とれてしまって、お……」
うっかり『王子』と呼びそうになってしまったけどギリギリで回避できたのは、口が塞がれてしまったから。
驚きのあまりに目を見開くと、至近距離にあった王子の顔がスローモーションのようにゆっくりと離れていった。
え、まさか!?
ふと目線を下に向けると、お皿に残っていたドーナツが消えている。
丸くて中にホイップクリームがたくさん詰まってるドーナツが。
なぜか押し込まれるようにして私の口にはさまっていた。
「フガフガフガ!」
く、苦しいっ!!
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