決戦の土曜日 part2

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鼻息も荒くベッドの中で迫られる様子を想像しつつ、現実世界では目を瞑り唇の感触と撫でまわされる背中や肩肉や腕肉のあたりの感覚を研ぎ澄ませた。 一瞬、重なる唇が離れたときにホッと息を吐き出して力を抜いたら、ヌメリ気を帯びた生き物のようなモノが私の口内に浸食してきた。 久しぶりのこのヌメヌメ感に、興奮する。 あっはん、うっふん言いたいぐらい興奮するけど、自分のナニかが自制を促してくる。 いきなり欲望まっしぐらにレロレロして嫌われやしないかと、少々遠慮してしまう。 私の口内に浸食してきた直樹サンの舌はユザゴロウさんもびっくりなぐらい私の舌を撫でまわしているのだか絡みついてくるのだか、とにかく THE YUZAGORO な動きで興奮を煽ってくる。 思わず、直樹サンの服をギュッと掴んだら、 「あん」 唇がはなされて可愛らしく喘がれた……。 「乳首、弱いからやめてくれよ」 胸元を隠す直樹サン、微妙。 「服の上から擦られるの、弱いんだよ」 知らなくて良かった、その情報。 むしろ、そのセリフは私が言いたかった。 せっかく煽られて興奮していた気持ちがサーーーーーーっと引いてしまった。 直樹サンの乳首を擦る気なんて120パーセントなかった。 むしろ、私が擦られたかった……。 直樹サンの喘ぎ声なんて聞きたくなかった。 むしろ、私が喘ぎたかった。 らめぇーーーーーーーーっ!!! な本の中にはなかった展開だ。 私の好みは、男性に女性が責められるパターンだから、逆のは全然読んだことがない。 こういうとき、私はどうすればいいのか……。 「無言で真顔ってキツいんだけど……いきなりキスしたから怒った?」 なんで、そこで弱気になるのか。 もっと、攻めて欲しい。 責めて責めて責められたい。 「碧ちゃん、ほら、いつもみたいに頭の中身を垂れ流してくれよ」 「えぇ……。なんか、せっかくの雰囲気が壊れたよね、ユザゴロウさん!」 「……」 3秒後には、直樹サンは想像通りにユザゴロウとなってキスの最中に私に触れた感じとは違うけど、撫でまわしてくれた。 これはこれで、嬉しかったからヨシとしよう。 盛り上がり続けていても、私のオシモが草原になるまでは致せないしね☆
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