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「やぁカナ。今帰ったよ」
「お父さん!」
「しっかり店番してたか?」
「当たり前じゃない」
どうやら、カナのお父さんが、薬草の採取から戻って来たみたいです。
カナの頭にお父さんが手を置き、そのまま頭を撫でました。
カナが笑顔になります。
「ああ、お客さんがいたのか。見ない顔だが、君は旅人かい?」
やがてお父さんは青年の存在に気が付き、向き直ります。
「あぁ。そんなもんです」
青年もお父さんに挨拶を返しました。
「お父さん、この人ったらおかしいの。すごい顔して入ってきて、『トイレ貸して』って言うんだよ?」
「ちょっ、お嬢ちゃん! そりゃ言わない約束だぜ!」
「ハハハ、もうこんなに打ち解けたのか。しかし珍しいな。こんな辺鄙な村に旅人とは。君は何をしにこの村へ?」
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