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「あ、そうだよ。どんなビジネスがあるの?」
お父さんの疑問に、カナは乗っかります。
「ああ……」
青年は観念した様に、ようやく語り出しました。
「オレ、この男を探してるんッス」
そう言って青年は、懐から折りたたまれた紙を取り出しました。
それを広げて、カナとお父さんに見せます。
「これは……手配書!?」
手配書。
悪質な犯罪者や村々を襲う略奪者の情報を記した書類で、記された者を捕獲すれば懸賞金を貰う事が出来ます。
「懸賞金100万バグ、『ハサミのアルウィグ』。この村の近くに潜伏してるって情報を手に入れて、オレはこの村に来たって訳なんスよ」
青年は得意げに語り出しました。
「そうすると君は、冒険者という訳か」
「まあ、そうなるかな」
「懸賞金が目当ての、賞金稼ぎという訳か……」
「ああ」
しかし青年を見るお父さんの表情は、見る見るうちに険しくなって行きました。
まるで汚い物でも見るような、そんな表情に変わってしまったのです。
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