コスモス、秋、好きな人

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コスモスの咲く季節に、私はまたあなたを見つけた。 *** 夕焼け空に流れる秋特有の薄い雲を見つけると、風に揺れる小さな花たちを探してしまう。 その花は同じ形なのに、それぞれ違う色の花を咲かせている。 中央は筒状の黄色。花弁は、オレンジ、桃、白、赤色。 花の名前は、コスモス。 コスモスを見つけると、私の足は自然とそこへと向かってしまうのだ。 今日も導かれるように、一面秋色に覆われたコスモス畑のそばへ歩いていくと、風に揺らされたコスモスが一斉にこちらを向いた。 私はスッと息を吸う。 見える景色も、届く花の匂いも、全てあの時と同じだ。 次の角を曲がれば、あなたと出会ったバス停がある。 変わらないな。 このバス停は、コスモスたちの陰で、いつも一人で佇んでいる。 私は、バス停のポールに手を置いて、あの日のことを思い出していた。
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