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「そう言えば、さっきね。悠斗が告白してくれた時のこと、思い出してたんだけど」
「マジ……? 俺、すげぇ緊張して、最高にカッコ悪かったから、できれば封印してほしい」
「え? すごくかっこよかったよ?」
「……なら、いいけど」
彼の手も、背も、あの頃よりずっと大きくなった。けれど、照れるように笑うところは変わらない。
カッコいいけれど、可愛いが残る彼に、私の胸の奥がキュウと音を立てる。
「悠斗、あの時、”ずっと前から好きでした”って告白してくれたの。私、今まで深く考えてなかったんだけど、ずっと前っていつからなんだろうって思っちゃった。私たち、中三の秋、初めてここで出会ったんだよね?」
ふと、浮かんだ疑問を訪ねてみた。
思い出のコスモス畑を見ていると、あの頃がありありと思い出される。
「いや、違う。美咲、覚えてない?」
「え?」
「中二の秋、このバス停で、俺たち出会ってるんだ」
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