147人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
黎はすぐに厚さの異なるいくつかの種類の
生地を白からブラウンに近い色まで揃えて
発送したが、返って来たのはオリジナル
カラーのオーダーだった。アンヌ・マリー
が求めたのは『白と最も薄い生成りの1/3
中間色のやや白寄り』という難解な色
だった。
黎は指示書を見て頭を抱えた。
「西村さん、どうしたんですか。」
美月が不思議そうに声をかけた。
「坂本さん、これわかる?」
黎が指示書を渡すと美月の表情が歪んだ。
「…何ですか、これ。」
「女王様の本領発揮だわ。綿ローンなんて
早いと思ったら、案の定オリジナルカラー
の注文が来た。」
最初のコメントを投稿しよう!