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「半年前?毎日会ってるじゃん」
何を言っているのだろうか。
半年前に偶然町で遭遇してから、私達は一度も会ってなどいない。それだって、卒業してから約10年振りの再会だったのに。
「今日は、制服じゃないんだね」
「制服?」
「高校の」
「え!?いやいや!27歳で制服はコスプレでしょ!?」
「27歳?」
すると彼は首を傾げながら言った。
「俺達、17歳じゃん」
「…は?」
そう言われて、初めて気づく。目の前にいる彼は、半年前の姿とはえらく違った。
だけどそれに気づかなかったのは、こちらの姿こそが私の中の「石井純弥」だったからだ。
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