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 それから、卒業証書を貰ったりクラスの連中といろいろ喋ったりしていたらあっという間に時間は過ぎてしまった。  早く、先生のところに行かないと!  俺たちは急ぎ足で保健室に向かった。 「失礼します……」 「どうぞ」  ドアを開けると、今日は白衣じゃなくって、三者面談の時みたいにびしっとスーツでキメた先生が待ち構えていた。やっぱカッコいい……。って、見惚れてる場合じゃなかった。 「あの、遅くなってごめん」 「良いんですよ。想定内です。卒業式の後というのは楽しい時間ですからね」 「先生……僕、何かしましたか?」  不安そうにソウタが言った。先生は、ふふと笑う。 「今日は、お二人に言いたいことがあって呼び出しました」 「どういう……」 「今日で二人は卒業ですからね。私が偉そうにものを言えるのも今日が最後。なので、言わせてもらいます」 「……なにそれ」 「レン、国君……いえ、ソウタさん。卒業したからと言って、ハメを外しすぎてはいけませんよ。大学に入学するまでは、まだ高校生の延長線だということを忘れてはいけません。春からは新しい生活が待っていて嬉しい気持ちがあるとは思いますが、慎重に、物事を進めること、良いですか?」 「うん」 「はい」 「では……堅苦しいのはここまでで、二人とも、良く頑張りましたね。卒業、おめでとうございます」 「……ありがと」 「ありがとうございます!」  俺たちの返事を聞いた先生は、満足そうに微笑んだ。
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