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その準備は着々と進み、
当日を、迎えた。
正隆は、首相からの表彰前に、珍しく緊張していた。
先程絵画の中身も確認した。志恩も笑顔で会場の端に立っている。
新聞社、雑誌、様々なメディアの記者が押しかける会場の中、
表彰式は始まった。
何の滞りもなく、進行されていく。
そして、絵画の公開の瞬間が訪れた。
「では、実際の絵を開けて頂きましょう!」
司会者が明るくここ一番の声を出す。
何人かが、箱を囲み、
記者たちがカメラを構える。
ドサドサドサッ!!
そこから出てきたのは、大量の粉袋だった。
「これ・・・は・・・?」
司会者の戸惑いの声が響き、会場はどよめく。
「阿片・・・?」
その声を出したのは、あの、飯田だった。
「阿片だと!?」
「近衛さん、どういうことですか!!」
写真はおやめください!!と叫ぶ司会者にも止められない勢いでフラッシュが炊かれる。
正隆は、
その場で放心したまま、動かない。
八神さん!あなた責任者ですよね!
どういうことですか!!
押しかけて来る記者に応えようとした、その時。
「志恩・・・!」
押し寄せる人の波をくぐり抜けて、小さな身体が飛び込んできた。
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