清算

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清算

「う~ん。早い所別れた方がいいよ。アンタ、このままこの関係を続けていたら、ボロボロになるよ」 仏頂面の占い師が、じっと見つめていた夏香の手の平から目を離し、見上げながら言った。 夏香は、顔を強張らせながら、座っている占い師の顔を覗き込んだ。 「ボロボロになる…というのは、一体、どういう事なのでしょう?噛み砕いた説明をお願い致します」 メンチを切ったヤンキーのような気迫で、占い師に顔を近づける。 見かねた友人の麻美が、夏香の肩をトントン、と叩いた。 「ちょっ、夏香、近すぎ。落ち着いて、ねっ。ドウドウ…」 暴れ馬のような扱いを受けた夏香だが、一定の効果はあったようで、我に返り、表情を元に戻した。 占い師は、頭を抱えながら、溜息まじりに言った。 「あのねえ…そもそも、不倫に未来なんてないから。アンタの場合、恋愛に関して言えば、そういう関係になる異性との縁が少ないからね。珍しく恋できる相手に出会って、浮かれて、突っ走って、後々、既婚者って分かっても、放棄できずにダラダラ関係を続けて今に至っているパターンだろうけど」 「やだ!うそっ。全部、当たってる」 麻美が、引きつった顔で、大声を上げた。     
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