言葉を編む ひつじ

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あんぐりと口を開けたままの私を理解できないと思っているのだ。 そのくらいは分かるが、こんなに急な話はあるだろうか。 「むむ、無理です! そんな急に……」 「大丈夫。両親はモモのことを歓迎してくれるよ。あの会見も見ていたみたいだし」 「のぉぉぉ」 最も見られてはならないものを、最も見られたなくない人に見られたということだ。 「喜んでいたよ」 「嘘だと言ってください……!」 「朝から元気で、可愛い」 目を細めて、楽しそうに笑う郁とは反対に、私は頭を抱えて、目の前にあったトーストに頭突きをするところだった。
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