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プロローグ
プロローグ ようこそ、国立高等技術学園へ
最寄駅からバスに乗り込んで30分。周りから建物が消えて久しいその時、車掌のアナウンスが車内に響く。
「次は国立高等技術学園前。国立高等技術学園前……」
ボストンバックを担いでバスを降りる。国立高等技術学園──日本に存在する、5年制の学校である。その名の通り、学園では技術分野の講義が多く開講されている。笹原洋介は一般高校から、この学園に編入する男子学生だ。
「ここが技術学園か」
唯一の乗客を降ろしたバスは足早に去って行った。青々と茂る針葉樹林の下で、格式高そうなレンガと鉄柵が遠くまで並んでいる。笹原がバス停からしばらく歩くと、学園の校門にたどり着き、校門の前に立っていた年配の男性に声をかけられた。
「君が、今日から制御科の4年生に編入する笹原君かな?」
「はいそうです」
「よかったよかった。私は学生主事の高柳です。これからよろしくね」
男性は優しく微笑みながら笹原に歩み寄る。
「早速で申し訳ないんだが、もうホームルームが始まってるんだよねぇ。だからまずは、このまま教室まで先に案内するよ」
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