1013人が本棚に入れています
本棚に追加
/663ページ
「待たせちゃってごめんね、お疲れさま!」
九嶋くんに謝りながら、慌てて店舗の方へと向かった。
今日は土曜日。
あの日からちょうど二週間が経った。
先々週、先週と結婚式と翔の幼稚園の行事でお休みをもらったので、今日は修吾に渋い顔をされながらも、休日出勤をした。
4月にオーナーが変わって新体制になってから、常にうちの店は人が足りない状態だ。
副店長の初花ちゃんと店長の相澤さんは、シフト上はお休みがあるけれど、何だかんだで毎日のように店に出て来ている。
初花ちゃんは、特に見た目でも分かるくらいに疲れきっていた。
まぁ……忙しすぎるという理由だけで、そんなに疲れている訳じゃなさそうだけど……
「お疲れ様です」
九嶋くんが帰ってしばらくしてから店に現れた男を見て、あっ、噂をすれば……だ、と思う。
『初花ちゃんが疲れている原因』のご出勤だ。
4月から店長としてうちの店に来た相澤 樹さんは、めちゃめちゃ仕事ができる男だ。
さらに容姿端麗、秀麗眉目。
天は二物を与えず、に全く当てはまらない嫌みな男だ。
そんなできる男に初花ちゃんは付いていくのがやっとで、4月から振り回されっぱなしなのだった。
最初のコメントを投稿しよう!