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嵐
粘膜に貼り付いた球体に
騒ぎ立てる愛情が蕁麻疹
微かにそよぐ菜の花を
蹴散らして口元で笑った
微調整を擦りガラスに浮かす
錆び付いた薄氷を剥いて
プラトニックに溶けた細胞
手を取られたまま偽れずに
濁りを頬で押し流して
目尻の境に寄り添う幼さと
折り合いを付けて月を見る
生命線に仕込む別離に似た何かを
逃がさないように湛えている
唇の色味と幸福度の反比例で
妙な喜悦の予兆に寒気がした
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