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第十二話「発覚」
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低くひそやかな冬の陽光が、窓ガラスを通して部屋の中を白く烟(けぶ)らせる。
瞼に当たる光の眩しさに、花衣はゆっくりと目を開けた。
無意識にベッドの隣にいるはずだろう男に手を伸ばすが、しかしその右手は虚しくシーツを掴んだ。
枕に伏せていた顔を右に向け、花衣は無人のベッドを見て、完全に目を覚ました。
慌てて宮棚に置いたスマホで時間を確認すると、驚いたことに午前十時を過ぎていた。
思う存分愛し合いくたくたになったせいで、また眠ってしまったらしい。
バスローブを羽織って寝室を出ると、浴室からシャワーの音が聞こえた。
そっと音を忍ばせてドアを開き、脱衣所からガラス戸越しにシャワーを浴びる男の背中を見つめる。
コンコン、とノックの音を響かせると、一砥がこちらを向いてすぐに笑みを浮かべた。
その笑顔を見て、花衣も自然と笑顔になった。
「私も入っていいですか?」
「もちろん」
即答を得て、花衣はその場でローブを足元に落とした。
しなやかで均整の取れた、美しい裸身が露わになる。
ゆっくり浴室に入って来た彼女を笑顔で迎え、一砥は自分よりかなり冷えた背中に手を回し、抱くように引き寄せた。
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