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昌宏
「でも、田岡君一人では、動いたところで、何も変わらないでしょう。」
勇樹
「あくまでも、田岡君一人なら、ですね。」
将生
「田岡君一人なら、ですか?」
勇樹
「そうです。田岡君一人なら、何も変わらないでしょう。
だが、水谷と葛西が一緒になったのなら、話は変わってきます。」
昌宏
「でもそれは、警護課で今回の事に関わっている者は、増山だけで、水谷と葛西は関係ないことに、田岡君が気付かないことには始まりませんよ。
我々は、
栗原総理の秘書と警護課で対立するシナリオを作ったんです。
そう簡単には、気付かないでしょう。
水谷と葛西についても同じです。
我々三人と田岡君が違うと認識できるはずがない。
そんな証拠など、あるはずないのだから。
だから、水谷か葛西が、田岡君に個別に話をするなど、あり得ない。」
勇樹
「うーん。そういうものなのでしょうか?
今のうちに、小さなミスがなかったか、考える必要があると思うのですが。」
将生
「勇樹さん。考えすぎでは、と思っていましたが、話を聞いている間に、私も一つ気になることができました。」
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