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「親父たちの部屋から離れてるから大丈夫だよ」
私の服の中に手を伸ばしてくる優悟君の手を軽く叩く。
「ダメ。初めてきた彼氏の実家でそんな事はできません」
ビシっといった私の言葉に、優悟君は「沙耶は真面目だな……」とぼやきながら私を抱きしめなおした。
「じゃあ、キスだけ」
そう言って甘いキスが降って来る。
お互い見つめ合って何度もキスをする。
「好き……」
ふふっと笑ってキスをねだると、優悟君は頭を抱えた。
「ダメって言っといてお前なんだよ……。あー、拷問だ……」
そう言いながらも、優悟君は私にキスをくれる。
「俺も大好きだよ」
離れていた時間も無駄な時間じゃなかったと、そう思える今があって本当に良かったと思う。
人は恋をすると、真実が見えなくなり、間違えるのかもしれない。
でもそれを乗り越えて、信じることの方が強くなれるのだと思う。
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