始まりの時

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始まりの時

「かあさん、とおさん、行ってきます」 「気を付けてな、月奈(つくな)」  月奈と呼ばれた少女は、両親に挨拶を交わすと、駆けだしていく。  籠を担ぎ、向かったのは里山であり、未だ稲作も根付いておらず、山でヒエやアワを放置栽培し、ドングリやクリを主食としており、秋である今のうちに、収拾するのである。  そう、まだ少女が幸せな時期であったと言えるであろう。
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