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私達の両親は、私達が高校三年の秋に交通事故で亡くなった。
山道のカーブで、スピードを出しすぎた大型トラックが、車線からはみ出し正面衝突したのだ。
両親は即死だったらしいと警察と病院の医師から説明を受けた。
両親の死後、親戚達は誰が私達を引き取るかで揉め始めた。
そのことに嫌気がさした私と美菜は、両親の残してくれた貯金と自分達のバイト代で生活できることを説明し、二人で生きていくことに決めた。
進学希望だったけれど、急遽就職先を学校に探してもらい、私達は無事に高校を卒業して社会人となった。
今は苦労しても仕方がない。
二十歳になれば、両親の保険金も入ってきて裕福に暮らせる。
そんな思いでなんとか必死に乗り越えてきたのだ。
私の生きる源は美菜、美菜の源は私。
私達は二人であって二人じゃない。
もう、完全に一心同体で支え合っているのだ。
だからこそ、私は美菜のためならば、どんな苦労もどんな困難も厭わない。
美菜は私の命そのものなんだ。
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