5th

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5th

5 あれは中学何年生の頃だろうか。 『俺、誰にも言えない秘密がある』 そんな優の真剣な眼差しが 今でも胸に焼き付いて離れない。 「智希にいちゃんが、家出るんだって。 正確に言うと、追い出されるってゆーか、 あんたは一人で暮らしなさいって母さんの声が聞こえて来たんだ。」 淡々と話しながら優は、 今まで見たことのない、黒い目をしていた。 「晴人、俺ね 智希にいちゃんが好き、 なんか、もうドキドキする好き。 きっかけは、俺が寂しくて眠れないって言った小2の時。 当時高校卒業したばかりの智希にいちゃんが じゃあ、一緒に寝る?って言って 俺しばらく一緒に寝てたんだ。 そん時は、頭撫でてくれたり、 寝かしつけてくれてさ。 それがないと俺眠れなかった。 ギュってしがみついて、 俺が眠りにつくまで背中さすってくれてさ。 それがしばらく続いて、小5になった時。 いつもみたいにギュってしてる時 あれ?なんか心臓が変だな、って思ったの。 密着してる腰越しに、智希にいちゃんのものが 硬くなってる、って初めて気づいたんだ。 それ気づいたらもう俺、反応しちゃって。 初めて智希にいちゃんの横で眠れない夜を過ごしたよ。 軽蔑した?」 軽蔑する、っていうより こんな表情の優を初めてみたことの衝撃のほうが大きかったのは覚えてる。
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