510人が本棚に入れています
本棚に追加
/330ページ
「わ!」
「え!?」
「待って! だめだ、そっちに行っちゃ!!」
「ダメだってば!!!!」
自分にしがみついて、顔を覆った指の間から画面を見てはビクン! と体を震わすジェイに笑う。
「だからお前は喜ばないだろうって言ったんだ」
とうとう途中で画面を止めて、アニメと取り替えながら蓮は文句を言った。
「ホラーだって言えばいいでしょ!」
「どう言ったって信用しなかっただろ? 俺は気を遣ったのに。いいところまで見て止めたんだからな」
「……ありがとう。でもホラーだなんて思わなかったから」
アニメが始まって、やっとジェイは落ち着いた。
蓮は裁判の話になるのがイヤだったのだ。わざと借りてきたホラー。今の続きを見るつもりなんて、とっくに無い。
二人で穏やかなハッピーエンドのアニメを見る。
(このまま今夜は終わりたい……)
蓮は二人の平和が欲しかった。静かな夜が。
アニメが終わった。
最初のコメントを投稿しよう!