新しい主君

7/9
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「じゃあ私は庭掃除が有りますので、 くれぐれもお嬢様に失礼の無い様に」 眼鏡メイドが部屋から出ると、 年の近い二人の主従少女が残った。 「ねえお葉、 貴女はどうしてうちに来たの?」 「我が佐賀家は廃藩置県で困窮し、 仕方なく従姉妹である、 貴様の元に士官したのだ」 「そうだったのね。 貴女が遊びに来ると思ってたら、 何で給仕服を着ているのかと疑問だったわ」 「先程も述べたが好きで着ているに非ず! 掃除渋々なり!」 「あぁでも可愛くて似合うわよ。 掃除も上手いから、 もうちょっと角もお願い」 「むっ?仕方有るまい…」 まだ主と完全に認めてない洋子におだてられ、 家具掃除に力が入っていくお葉。 「しかし何だ、 我々武士の魂たる剣を夷狄に売って、 稼いだ金でこれらを買ったと思うと…」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!