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「じゃあ私は庭掃除が有りますので、
くれぐれもお嬢様に失礼の無い様に」
眼鏡メイドが部屋から出ると、
年の近い二人の主従少女が残った。
「ねえお葉、
貴女はどうしてうちに来たの?」
「我が佐賀家は廃藩置県で困窮し、
仕方なく従姉妹である、
貴様の元に士官したのだ」
「そうだったのね。
貴女が遊びに来ると思ってたら、
何で給仕服を着ているのかと疑問だったわ」
「先程も述べたが好きで着ているに非ず!
掃除渋々なり!」
「あぁでも可愛くて似合うわよ。
掃除も上手いから、
もうちょっと角もお願い」
「むっ?仕方有るまい…」
まだ主と完全に認めてない洋子におだてられ、
家具掃除に力が入っていくお葉。
「しかし何だ、
我々武士の魂たる剣を夷狄に売って、
稼いだ金でこれらを買ったと思うと…」
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