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銀の王子と金の竜
むかしむかし、あるところに決して大きくはありませんが、それはそれは美しい国がありました。
日差しはダイアモンドのようにきらめき 水は水晶のようにとろけて透きとおり 木々はエメラルドのようにつやつやと輝いていました。
そしてその国の人々は皆一様に美しい髪や瞳を持っていました。
その国は輝く宝石に満ちて栄えていました。
国のそばには様々な宝石の眠る鉱脈があり、色とりどりのそれらは全て山の妖精達のものでした。
人々は宝石を掘り出す代わりに妖精達に絹や天鵞絨などの贈り物を欠かさず行っていました。
そうして国の人々と妖精はお互いに領地を守り支え合って生きてきたのです。
その国には王と妃。そして二人の一人息子、銀の髪と瞳を持った王子が暮らしておりました。
銀の王子は成人のお祝いを迎えたばかりの凛々しい青年でした。
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