【いつもの朝】

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【いつもの朝】

いつもの駅で降りて、改札をくぐる。通勤バッグを肩に掛け直してからバス停まで移動。 この駅の特徴を挙げるとすれば、それはとても静かでとても騒がしいこと。 私が乗ってきた電車より一本遅れた電車から制服を着た学生たちがニコニコしながらバス停近くを通る。 笑顔の子供たちはそれぞれ手を動かし、会話をする。 この時音はない。 -手話 駅から少し行ったところにろう学校がある。さっき通ったのはそこの生徒たち。 手話によりいろいろなことを話してあの笑顔になる。 だからこの駅はとても静かでとても騒がしい。 あそこの駅を利用するようになり1年弱、手話のことは何も分からない。 私たちは言葉を音にして会話が成り立つ。あの子たちにも言葉はしっかりある。ただそれを「音」として表現するのが難しい。 だからこその手話。言葉を手で表現する。 すごいよな、感情を手で表現できちゃうなんて。
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