エピローグ

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エピローグ

 かずかずの取材を終えた僕は地球を一周回って、もとの場所に戻ってきた。  出版社との打ち合わせのため一旦帰国したが、ゆっくりする暇はなく、すぐに次の取材旅行に出なければならなかった。羽田発マカオの直行便。手配してくれたのは、以前取材した旅行関係者だった。  グレートジャーニー2018。今年も例年どおり、リスボアホテル前の道路にゴールが特設されていた。ゴールテープの周りには、報道陣をはじめ、各チームの監督やオーナー、スポンサーなど、関係者がひしめいている。  前夜祭もそうだったが、車道を挟んだ歩道を埋め尽くす観客はさまざまだ。中国人、欧米人、アフリカ人、アラブ人、インド人。日本人も多い。僕は旅行会社主催の観戦ツアーに参加していた。  夕方近くになって、一位のチームの駱駝が、ビルの角を曲がって、最後の直線に入ってきた。  麒麟ほどもある大きなヒトコブラクダ。五連覇を狙うUAEのチーム「オアシスのタンポポ」の駱駝、デザートライオンだ。騎手は生きる伝説モハメド・アフマッド。優勝を前に、最後の力を振り絞って走っている。     
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