ひとりじゃない

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次の週から、先週のテストが次々に帰ってきた。 季節は十二月へと移り変わり、街はイルミネーションが施されクリスマス一色になる。 街はクリスマスモードでも、用倫ゼミナールは選抜クラス替えの実力診断テストがある。 やっと上がれた最上階から落ちたくない。だから私は期末テストが終わった後も勉強を続けていた。 「柿崎、ちょっと」 教室に行こうとすると、珍しく講師に呼び止められた。 授業時間前に講師が出て来るなんて珍しい。 「なんですか?」 「お前、この間無断で授業を欠席しただろう。連絡なしの欠席は選抜クラス落ちってルール、知ってるか?」 「……知って、ました」 ただ忘れていただけで。 自分が無断欠席とかありえないって思って、軽く聞き流していたルールだった。 どうしよう。 スーッと血の気の引く感覚に囚われたのは一瞬で、「今回は友達伝えで体調不良として多めに見るけど、次からはクラス替わってもらうからな」という講師の言葉に息を呑んだ。 友達伝え……。 塾に友達なんていない。
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