たまの有給休暇

7/7
581人が本棚に入れています
本棚に追加
/387ページ
「 あ、あの(ひ、ひゃの) 指を離して頂けると(ひゅびをふぁなしていただけると)…… 」  引き伸ばされていた頬を、外して頂き、正座になった(させられた)行人は頬を摩りながら言葉を伝える。 「 ちょっと、天国に行きかけていました。 」 「はい、正直でよろしい。」 秋は呆れながら、パンツを膨らませる幸せのテントに視線をやり、「はぁーぁ、」と大いに溜息を吐いた。 「……もう、そろそろ昼ご飯だけど食べるか?」 「 いや、全然動いてないから、お腹空いてない 」 「ふーん、分かった。 とりあえずそのテントどうにかしろよ……」 そう言いながら立とうとした瞬間、行人から腕を取られた。 「 お腹を空かせるために、ボクには、運動が必要と思うんだ。 手伝って欲しいんだけど! 」 キラキラした瞳で、晴の声を真似るようそう言った行人の顔は、恐ろしいほど笑顔だ。 「はぁ! な、なんで俺が!? 1人でしろよ!」 「 いやだ! やっぱり本物がいい!本物一番!! 」 「ちょ、おまーー!」 腕を離そうと秋は頑張るものの、馬鹿力の行人にそのまま腕を引っ張られ、 ホラー映画のように布団に引きずり込まれた。 その後秋が、美味しく食べられたことは、 ……言うまでもない。 end.
/387ページ

最初のコメントを投稿しよう!