第二章 距離

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「見えないけどね」 「そんなことないでしょ」 「僕の方が、絶対にしっかりしてるよ」 そう言って、今度はニッと意地悪な笑みを浮かべる。 くるくる変わる表情に、なんだか胸が羽根で擽られたみたいな気がした。 「そんなはずない。私、これでもしっかり者って」 「言われないよね?」 「ぐっ」 どうして分かるんだろう。 「どちらかというと、天然とかドジだとか言われるでしょ」 「むぅ」 だから、どうして分かるというのだ!
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