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電話帳を開いて弟の名前を探し、電話をかける。
そういえば家族に電話をかけるのも久しぶりだな。何年ぶりだろう。そう考えている間にも呼び出し音が鳴り続けるが電話が繋がる気配は無く、寝ているところを起こしたら悪いかな。と電話を切ろうとしたところで呼び出し音が途切れる。
『もしもしっ』
呼び出し続けたせいで留守電に切り替わったんだろうかと思った瞬間に聞こえてきたのは焦っているかのような弟の声。
「やっぱり寝てた？」
『寝てたよ。明日も朝早いから』
「それは悪かった。大した用じゃないから明日の昼間あたりにかけなおすよ」
昔と変わってないなら朝の四時から仕込みだから三時起きだし、自分の都合で電話するべきじゃなかったな。と素直に謝罪をして聞こえてきたのはふぅ、というため息。
『どうでもいい相手だったら後でかけ直せばいいやと思ったんだけど、画面に兄さんって出てるからびっくりして目が覚めちゃったよ』
「ごめん」
『それで、最近どうなの？ちゃんと毎日ご飯食べてるんだよね？睡眠時間は？周りの部屋の人とはうまくいってるの？まさか、変な人が引っ越してきたりしてないよね？』
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