狂愛社長の甘いワナ

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「はぁースッキリした」 帰りのエレベーター。 深いため息をついてあたしの肩に頭を乗せる。 「よくできました」 そんな惇生さんの頭をよしよしと撫でる。 「子供扱いやめろよ。年上だぞ」 「ふふ」 あたしの中ではもう惇生さんは可愛い人なんだ。 あたしに見せる姿はもう素でしかなくて全てが可愛いと感じる。 「楓より上にいたはずだったんだけどなー」 「ん?社長は一番上じゃない」 「そうじゃないよ。いつの間にか楓には頭が上がらなくなってる」 あの日から惇生さんの執拗な愛情表現はなくなった。 あたしを手に入れたことで、その必要がなくなったのだろう。 本人に聞いてもそこまでの執拗な愛情表現はしていないというのだから、おかしいものだ。 そして、それは少し寂しいと思っているあたしもおかしいものだ。 あんなにも怯えていたのに、少しはまたああして欲しいなんてと思ってる。 「これからも一緒にいてな、楓」 「うん、もちろん」 にっこり笑うとグイっと引き寄せられる。
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