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・・・でも、皆が皆、こんなに冷静に対応できるものなのだろうか?
一瞬考えている内にミヤは自分一人の力で上階のドアを開けようとしていたのである。流石にこれを一人で開けるのは難しいだろうと考え、自分が開けることにした。
両手の指でドアを押さえて開けようとしたが、やはり開けずらい。元々は自動で動き、その動きはコンピューターが管理しているので、当然だ。指がちぎれるのは嫌だとは思ったものの、こんな暗い空間にずっといるのは絶対に嫌なので、渾身の力をこめた。
すると、何とか開けることに成功。その直後、エレベーターの外によじ登り、ミヤの腕をつかんでひっぱり上げたのである。
「この後・・・どうするんだ?」
俺は、この先の事を訊いた。
彼女は一瞬考え込むが、すぐに答えを告げる。
「・・・屋上へ向かうわ」
ミヤは、口を動かしながら立ち上がったのである。
「あの女はどこだー!?」
2・3人くらいの足音と共にその台詞が聞こえてきた。
「やばい、警備員の奴らだ!!」
すぐに俺は、2人で階段を登り始めた。
まだ屋上まで半分近くあるけれど、エレベーターが使えない以上は階段で行くしかない。屋上に行って無事に脱出できるかもわからないし、彼女が持っている「脱出手段」が何なのか全くわからないが、俺とミヤは無我夢中で屋上を目指すのであった。
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