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小説家さんとSNS
自室のノートパソコンの前。窓の外は既に夕空。隣に置いた画面には映画のスタッフロールが流れている。
ランキングに入っているだけあってこれも面白かったな。
抱いた感想とは裏腹に陰鬱な気持ちになりながら本編を見て書き出した映画のプロットを眺める。
起承転結、物語の起伏もちゃんとついているし見ている人を飽きさせない工夫もされている。これで面白くない訳が無い。
プロットを頭から見直して画面に視線を戻すと映画の再生が終わり、別の作品を勧める画面に切り替わっていたのでランキングの画面に戻って自分がどこまで見たのかを確認する。
一位と三位の映画は見たことはあったから飛ばして、今まで見ていたのが七位の映画か。
机の上には五本分の映画のプロットが書かれた紙が重なっている。それなのに肝心のノートパソコンの画面は白いままだ。
映画を見ても本を読んでも、そこにどういう工夫がなされているのか分かるし、そこまでに出された情報を並べれば作品の中盤までを確認すればどういう結末に向かおうとしているのかの予測がつけられるくらいにはたくさんの作品を見てきた。
それなのに、このザマとはなぁ。
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