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黙っていると、央寺くんは、
「まぁ、いいや。それは置いといて」
とあっさり話を終わらせた。
「でさ、さっき姫野が倒れた時言ってたこと。なんで怒ってくれないのってやつ」
「あ……」
「べつに目立ったミスもないし、お客さんへの対応もちゃんとマニュアルどおりにできてたよ」
央寺くんは、淡々と続ける。
「…………」
「けど、上の空ぎみで、声も若干小さく戻ってたよね。お客さんの目を見て話していないこともあったし。お客さんの何人か、不機嫌そうに帰っていってた」
「……うん」
やっぱり、私、ダメだったな、という思い。そして、それ以上に、怒られるのもこれが最後だと思うと、胸にじわりと苦い痛みが広がる。
「体調が悪かったから仕方ないとはいえ、バイト服着て立っている以上、お客さんにとっては店員は店員だし、店の顔。自分で自分の調子の悪さはわかるはずだから、ちゃんとバイト仲間とか店長にそれを言うこと。無理しないこと」
「…………」
「わかった?」
さっきよりも優しくなった声で、央寺くんがそう言った。
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