5072人が本棚に入れています
本棚に追加
/406ページ
「……はい。」
うぅ……
反論できない。
「飲みたい時は、俺を呼べ。
ちゃんと連れて帰ってやるから。」
部長は優しく微笑んで、私の頭を撫でた。
「はいっ!」
私は嬉しくなって、にこにこが止まらない。
どうしよう……
また、きゅんきゅんする。
私達は、雷門で写真を撮り、お線香の煙を浴び、お参りをした。
「部長はどんなお願いをしたんですか?」
歩きながら尋ねる。
「そりゃ、決まってるだろう。
瀬名がもう酒を飲みませんように…だ。」
私の頭にぽんと手を置いて答える。
「えぇ!?
ひどくないですか?」
私は頭を手で押さえられたまま顔を上げて部長を見上げる。
「くくっ
冗談だよ。
瀬名は、何を祈ったんだ?」
部長は私の頭をぽんぽんと軽く撫でて手を下ろした。
「仕事がうまくいきますように。」
それを聞いた部長は、柔らかく微笑んで、
「それなら大丈夫。
絶対、叶うから。」
とまた私の頭をくしゃりと撫でた。
部長、頭、撫でるのが好きなのかなぁ?
最初のコメントを投稿しよう!