第一章 1と0の現実

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振り返ると西原が立っていた。 「知ってるだろ!俺がこういの苦手だって」 怒ったように梶野が西原に突っかかると、西原は手をたたいて大笑いしていた。 「フレーム決めようか」 西原はそういうと居酒屋フレームを検索しだした。 居酒屋フレームとは「SWR」で使える居酒屋の背景の事で、これを使うことでより居酒屋で飲む雰囲気を出すことができるという物だ。 「何する?”おしゃれBar”、”ホテルのラウンジ”、”人平民?”、”日本の川ちゃん”?」 「あ~大衆居酒屋がいいな。”日本の川ちゃん”にしよや」 「ええよ」 大衆居酒屋風のフレームを設定して呑みを行うことにした。 「座標パッドどうよ!」 「おぅ、これこれ」 西原が梶野に聞いた。座標パッドとはVR呑みでの必須アイテムだ。 VR呑みとは自身で飲み物とおつまみを用意して、SVRで飲むというもので、 この時、VR上で現実の飲み物が見えないのでそれを解消するのに開発されたものが、座標パッドだった。この上に飲み物やおつまみを置くことでVR上で視認ができるようになり、飲食の際にゴーグルを外す手間が省けよりリアルで飲む感覚に近づけることができるのだ。
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