また一から

5/10
2542人が本棚に入れています
本棚に追加
/228ページ
「綺麗なところだね」 駅からずっと続いている菜の花畑を横目に、私は一歩一歩、のんびりと歩いた。久遠くんはそれに合わせて、たまに止まってくれる。 「……今までそんな風に思ったことねえが、美和子がいると違って見える」 彼の無意識な感想に、私は感動した。 「ほんと?」 「……お前となら、どこへでも行きたい」 新幹線の中で私が言った「色んなところに行こう」という提案に、彼はやっと返事をしてくれた。
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!