好きになった理由

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ある日の午後の診察を終え 病棟へ行こうと 診察室から出ると 受付の隅に わりと背の高い若い男と 花恋がいた。 咄嗟に 目立たないように潜み二人を盗み見た。 彼女は今まで見たことがないような 可愛らしい顔をして その男を見上げていた。 なんて眼をしてるんだ…… チクリと痛む胸 男は俯いて寂しそうな顔をした彼女の頭に手を置きポンポンっと撫でた。 そのとたん受付の中から悲鳴が聞こえた。 恥ずかしそうに狼狽える二人は 初々しく 恋人同士の甘い雰囲気が漂う。 やがて去って行く男を見つめるその横顔は とても色っぽく 綺麗で 彼女にそんな顔をさせるあの男に ひどく嫉妬した。 そして気がついた 僕は彼女が好きだっていうことにーーーーーーーー
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