611人が本棚に入れています
本棚に追加
/442ページ
「冬の夜なんて、人間には寒いのに
それでも外に集まる程、会合に魅力があるんだね」と、ゾイが両手に持ったカップから上がる
湯気を見て、独り言みたいに言った。
「モレク崇拝だって 知らないからだろうけど
こうして、わざわざ山まで来るなんて。
社会的地位がある人と たくさん知り合えるからなのかな?」
「乱交に興味ある奴もいるんだろ」
ポロッとアコが溢しやがった。
ゾイは「ランコウ?」と聞き返している。
朋樹が「いやっ、何でもねぇぜ」と焦って言うと
「魔女のサバトのように?」と、普通だ。
「あ、そうか。モレクは、バアルとして崇拝されていた時は、配偶神のアシュタロテと
多産の神としても崇拝されてたんだった。
生まれた子を捨てる場所があって、拾って育てる役割の人達もいたんだったね?」
ジェイドに確認して、ジェイドも
「そうだったようだね」と 普通に答えているが
ゾイは何か、現実感のない話し方だ。
ルカが 軽いショックを受けている。
「見たことあるのか?」と、ミカエルが聞くと
「実際にはないです。地上の学習の時に知りました」ってことらしい。
下級天使だったんだもんな...
学習していて、それが何かの知識はあっても
ゾイ自身には無関係で、遠いことなんだろうな。
人間や悪魔がすること って感じだろう。
最初のコメントを投稿しよう!