トラブル

5/28
854人が本棚に入れています
本棚に追加
/479ページ
『菊川部長代理。私達、お昼行ってきます。』 神田さんはテカテカのパワハラに何も動じる事もなく、淡々と伝える。 『あ?ハイハイどーぞどーぞ。 おい、お前はのんきに飯食ってる暇はねーぞ?さっさと仕事獲れる資料作れよ? 無理ならお前も事務職に転属してくれよ? はっはっはっ!』 な、なにこいつ。 おしぼり投げんなよって言われたけど… いや、ダメダメ。 ヘルプに来て、問題起こしたら それこそ営業1部の顔に泥を塗ってしまう。 最終的に日向さんの迷惑に…… 『じゃ、野島さん。行きましょう。』 『は、はい!』 『はぁ?野島?』 げっ……テカテカがこっちを見た。 しかも顔ちかっ…… ま、まずい…… 私がおしぼりぶん投げた女だって気付かれ… 『今日から来てもらってるヘルプの野島さんです。』 神田さんが淡々と説明。 ヤバいヤバい……汗だくだく。 『あぁ、話は聞いてる。ふーん野島さんね。』 これは……気付いてんの? チラッとテカテカの方を見ると ばっちり目が合った。 げっ…… 『こ、コホン! わ、悪いね…わざわざ来てもらって。』 は?なにこのセリフ。 さっきまでパワハラ発言してたくせに 気持ち悪…… 『いえ……仕事ですので。別に……』 『偉いなぁ。事務の癖に。』 は?一言余計だろッ もう一度顔を上げて睨むと 何故かテカテカは顔を赤くして 逆に目線を外された。 なんだこいつ。まじで。
/479ページ

最初のコメントを投稿しよう!