第027話 第一章四節:生誕祭四日目(前編)

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自分自身で演じようとしているのではないか、と。 まだ朝日が見え難く、 薄く雲が覆う薄暗い空を見ながら、 アイリは考え続けた。 それがアイリの思考をマイナス方向に進めながらも、 寝惚けた頭を覚醒させる手段であり、 反省と自分自身を見つめ直す手段にもしている事を、 無自覚にアイリは前世でも今世でも毎朝行っていた事だった。 * 暫く窓を眺めながら考えていたアイリは、 起き始めたバラスタとリエラがたてた物音で、 思考から現実へと引き戻る。 眠そうなリエラとバラスタの狼親子は、 尻尾を下に垂らしながらノソノソと歩いて、 台所に立っているセヴィアに「おはよう」と言うと、 バラスタは台所の食卓に腰掛けて、 リエラはぼーっとしながらも、 何かを探すように周囲に顔を向けていた。 探していた対象が居たようで、 アイリを見つけるとリエラは垂らしていた尻尾を、 一度ピンッと立ててから少し左右に尻尾を揺らして、 アイリに近付いて「おはよう、アイリ!」と、 元気良く声を掛けた。 その挨拶にアイリも笑って「おはよう、リエラ君」と言うと、 リエラは頬を染めながら、 尻尾をブンブンと左右に大きく振って、 アイリの隣の椅子へと腰掛けた。 それから他愛もない会話をリエラとアイリは行いながら、 気付いたようにアイリが呟いた。     
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