第十一章 別れ

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 同じ道を歩むなと言う言葉は、優しく見えて、明らかな拒絶を意味していた。孤独の中を生きるフェイ。この男はきっと死の淵までたった一人で生きるだろう。何故そんな道を選ぶ。その道の先で、フェイは穏やかに笑えるのだろうか。あまりにも強く抱き締められた腕の中で、アルベルトはこの男の淋しさに、そして自分のあまりの無力さに泣く事しか出来なかった。  だがこの時アルベルトはフェイの本当の思いに気付いてはいなかった。その胸の奥の覚悟に気付いてはいなかった。気付いていたとして、何かが変わったのだろうか。それは、分からない。だがこの選択だけは間違いではなかった。そう思ったのは、アルベルトが暗い泥濘の中を生き抜いたフェイの全てを知った時だった。
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