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小さいころから、儚いであるとか、気品があるとか言われてきた。
女の子であったら深窓の令嬢というのがぴったりだと言われたこともあった。
ただ、実際の俺は男であるし、家はドのつく貧乏であるので見た目だけの話である。
我が家は貧乏というより両親の金遣いが荒すぎて常に金がないという状態の家だった。(それを貧乏といっていいのであれば我が家は確かに貧乏であった。)
そのため、自分自身の容姿であれなんであれ、使えるものは使って少しでもまともな生活を送りたいと思うのは恐らく当然であり、俺も自分の容姿を使って近所のおばちゃんたちにおやつをねだったりしたこともあるし、バレンタインに貰うチョコは大事な栄養源になっていた。
だから両親が逃げて、あからさまにやばい雰囲気を出す人たちが部屋に押しかけてきたときには、ああついにこの時が来てしまったのかと半ばあきらめの境地だった。
TVの中の世界のように、内臓売られたりするのかなあと俺が考えていると、明らかに先に入ってきた人間たちと雰囲気や身につけているものが違う一人の男が入ってきて土足のままずかずかと俺の前までやってきて、ボーっとその様を眺めている俺の前にしゃがみこんだ。
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