ペタペタ

4/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
あれが正解だったのか、その後はあのペタペタと貼り付くような足音はなく、無事家に帰ることが出来た。 疲れきった私は倒れ込むようにして眠りにつき、翌朝のニュースに言葉を失った。 今朝早く、何者かによって切り刻まれた死体が線路沿いの道路で発見された。人間の所業には思えない残忍さであり、また頭部は見つかっていないとの事。 あの言葉を言わなければ、私が彼と同じ姿になっていたかもしれない。だけど、私のせいで・・・。そう思うと罪悪感に苛まれた。 あれは何だったのだろうか。 ペタペタと走るあの音が今も耳を離れない。 私はあのホームページへアクセスし、目撃情報に書き込みをした。 タップする指が止まる。 ここに書き込みしている人は、皆助かったからここに書き込みしている。 ・・・という事は、ミンナ ダレカ ヲ ギセイニシタ。 喉の奥でヒュッと音がして、冷たい空気が辺りを包み、私はホームページを閉じた。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!