第15章 離別

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その日は、長谷川くんと2人で 歌いまくった 歌うと喉が渇くから、本当はビールが 飲みたかったけど 『明日、声がガサガサになるよ』 って、長谷川くんが ウーロン茶以外を飲ませてくれなかった 『そろそろ、マッキー歌おうかな?』 それまでは、ノリノリな曲ばかり だった 『いいよ 長谷川マッキー!』 『じゃあ、歌うよ もう恋なんてしない』 初めは、手拍子なんかしていたけど ♪もし君に、ひとつだけ 強がりを言えるのなら もう恋なんてしないなんて 言わないよ絶対♪ 当分、恋愛なんていいや 仕事に生きよう そう思いつつも、来週から 航平くんと一緒に働くのは 辛いものがある 恋愛って、辛いんだな… 『私は…… もう、恋なんてしない』 『まこりん、なんでそんな顔する?』 『そんな顔って……』 知らぬ間に、涙がこぼれていた 『あっ、ごめん』 慌てて、涙を手で拭っていたら 長谷川くんに、抱きしめられた 『答え、急がないなんて言ったけど 今、聞かせて?』 『えっ?』 『今日、飲まなかったのも 飲ませなかったのも 酔った勢いみたいに 思われるのが、嫌だったから』 一昨日は、結構飲んじゃったからな 『俺と付き合おう……真琴』 長谷川くんと、付き合えば 楽になれるのかな……?
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