【自由人とボランティア】

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スマホを操作すると少ない友人とのメッセージのやり取りがある。 『カナちゃん、ちゃんと生きてるー?ご飯食べた?』 それに対し私のメッセージはこうだ。 『生存確認完了。今日もしぶとく生きてますので』 数少ない友達がこうして時々生きてるかどうかの確認をしてくれる。 『了解ー!なにがあっても生きましょう♪』 別に、死ぬつもりなんて微塵もないんだけど友達のほとんどが冗談として言ってくる。 だって本当に死にたい人相手にメッセージを送ることすらまずはしないだろう。 スマホで時間を確認すると7時を少し過ぎたところ。 そろそろ起きないと。自由と呼ばれるけどダラけた生活はしたくない。 「おはよう。みーちゃん」 観葉植物のみーちゃんに挨拶をしてカーテンを開ける。外は天気予報通り冷たい小雨が降っている。 本降りの雨は好きだけど小雨は嫌い。 何と言っていいか、あの降ってるのか、そうでないのか、中途半端さが嫌いなんだ。 まるで自分みたいで。 「雨なら、雨らしくしっかり降りなさいよ」 小雨に文句を言うと開けたばかりのカーテンを閉める。今日は自由と呼ばれる私には珍しく『予定』がある。
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